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第1部「理由」

1部 理由                

   鍵 --key--

               
 ーーー Prologue ーーー
  



男は、仰向けで寝ていた
全身血まみれだった
回りには深紅の色をした矢が無数落ちていた
3m程横には女が1人立っていた
『・・・俺ぁ・・・なにしてんだぁ・・・なんで・・こうなった・・・?』
目が霞んでいた
しゃべる気力も無に等しかった
考える気力はまだあった
「ちくしょぉ・・・俺んせいかょ・・・・」
女がニヤッと笑って
「そうだよ」

Why....did it become it so?

2005年 3月 24日 木曜日

この日は卒業式、式が終わり3年が体育館の前で並んでいる、最後に在校生の間を通るために整列している
女達は泣き崩れ、男達は悲しみを紛らわすために友達と集まり談笑している
「はい、ほら!3年生、最後ぐらい静かにしろぉ!」
3年A組の担任の清水が声を張る
生徒達は少し静かになる
「よし、秋長ぁ!す、進めぇ」
A組の秋長が一度清水を見てから、めんどくさそうに歩き出す
それに続き、他の生徒も歩き出す
素通りしてしまうものもいれば、後輩にボタンをあげるものもいる
そして、全生徒が門から出た
「ほら、じゃあ最後に3年間付き合ってきた友達、みんなに『ありがとうございました』言うぞぉ」
清水が言う
みんなは笑顔で清水を見る
「せぇーの」
清水が言うと、それに続けて
『ありがとぉございましたぁーー!!!!』生徒みんなが笑顔で叫んだ

「じゃーねぇ!」
「電話するからぁー!」
「バイバーイ!!」

3年の生徒達がそれぞれ各々の家路を辿る
するとB組の谷神が、D組の担任の飯田と清水の前に来て止まった
「さようならぁ!!そのうち学校来るから!」
「はい、わかったわかった。今度来る時はもっと落ち着いてな」
「うるさいよっ!ハハッ、じゃあまた!」
そして走って行った
「・・・・」
・・・・なぜか2人は深刻な面持ちだった
「・・・・・悲しいですねぇ、あの子達が・・・」
「しょうがないですよ、国が決めた事ですから・・・」
その時、B組の担任の大木が小走りで2人の元へ来た
「・・・で、どうでした?」
飯田が大木に問う
「やっぱり決定したようです・・・もう、高校にも連絡が着きましたので・・・」
「・・・・全員退学・・・と」
今まで下を向いていた清水が顔を上げて言う
「・・・で、いつなんですか?」
「来週の月曜だそうです・・・」
「近いですね、もう逃れられないんですね・・・・」
「・・・・・ハイ」
上を向いた、その空は、清々しくて、透明な、蒼だった

Sign of killing one another....

2005年 3月 26日 土曜日

加藤の家  加藤   10時28分
B組の加藤が休日という事で遅く起きた、ゆっくり布団から出て、リビングへ向かう
「ふぁ~・・・・」
口に右手を当てている
「・・・・・?」
リビングに付く、テーブルの上に封筒が置いてあるのに気付く
「ん・・・俺宛じゃん・・・」
封筒の宛名を見る
【バタン】
冷蔵庫から缶ジュースを取り出し、イスに座る
携帯と、封筒を手に取る
「・・・連盟日本国議会・・・・・国ってこと?何これ?かっこ!」
封筒を置き、ジュースを一口含みイスに座る
「・・・・・・おっ、メール来てるわ・・・」
携帯のメールボックスを見て、受信メールが3通着ていた
加藤はB組の石松からのメールを開いた
【 from 石松 晃一  〈2005.03.26.07:41〉  ねぇ宅、あの手紙のやつ見た?・・・宅はどうすんの・・・? 】
「・・・・・手紙ぃ?これの事か?どうするって・・・何ょ」
封筒を手に取り、上の封を切る
「手紙だ・・・・・何々?」
加藤は手紙を読む
〈拝啓・こちらは連盟日本国議会です。今年の1月16日に、ある小さな国の王が亡くなられました。それでその王の遺産、日本円でおよそ75億円。その遺産の受け取り人は王様がきめられました。亡くなられる1週間程前に手紙を書かれました。その手紙に印されてあった通り遺産は貧しい国への募金へと回しました。そして結果7億円が残りました。
そのお金の宛は、あなた達です。・・・・手紙によると、日本の国の中学3年生から1学年選び、そこの学年の子達にあげて欲しいと。しかしただあげるだけではつまらない。殺し合いをして5人以下まで減らして欲しい。その残った人間全員が同意すればその7億円をその人数にほぼ均等に分けて欲しい・・・・・と書き記されておりました。それであなた達の学年が選ばれました。おめでとうございます。それでですが・・・その殺し合いに参加するならこの手紙の最後に記されている時間と場所においで下さい。もし参加したくないのであれば、電話で「参加しない」とお告げください、電話番号は(043)-(2845)-(○○○○)まで。では、最後に・・・・このゲーム、参加しなければとんでもない事になりますからね。
参加する方。明後日03月28日 午前6時に西中学校までおこし下さい。それでは。〉
「・・・・・な、何だよこれ・・・ドッキリ・・・にしてはやり過ぎだしな・・・マヂかょ・・・」
加藤は2通目のB組の守川からのメールを開く
【 from 守川 直光  〈2005.03.26.07:49〉  ・・・・とりあえず、俺は参加すっから】
「!?」
守川のメールの内容に思わず言葉を失った
そしてすぐにメールを打ち出す
【スガちゃん(守川)、参加するの?・・・なんで?殺し合いだょ?良いの?】
加藤は守川に返信した・・・
3通目のB組の丸元のメールを開く
【こりゃあ・・・やるしかないっしょ!?・・・宅もやるっしょ?】
「な、なんだょ・・・丸子(丸元)もかよ・・・」
加藤は少し考えた
【ティローン】
携帯から音が鳴る、加藤は思わずビクッとした
「・・・あ、メール来たのか・・・・・・・・・スガちゃんからだ・・・」
新着の守川のメールを開く
【違うってw殺し合うんじゃなくって・・・できるだけ多い人数で金持って逃げ出すんだよw
2~3人は死ぬかもしんないけど7億だよ!?やるしかないっしょ!丸子とか新野・マッキー(牧屋)には言っといたから、この計画さ】
「・・・・・ハハ、そういうことか。それなら殺し合いは起きない。本当に金欲があって独り締めしたがるやつがいなければ・・・OKだw」
加藤は計画の実行を決意した





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